2018.5.10発 山形豪さんと行く タンザニア・セレンゲティとンゴロンゴロ写真撮影ツアー 10日間

2018年5月、タンザニアのセレンゲティとンゴロンゴロ・クレーターへのツアーを行った。

5月は現地の雨季にあたる。サファリは一般的に乾季がベストシーズンと言われているが、私は雨季の方が好きだ。理由はいくつかある。まず雨季は動物たちのコンディションがよく、活性が高い。草と水が豊富にある時期は草食獣たちにとってもっとも過ごしやすい時期であり、子育てに勤しむ種も多い。草食獣の子供が多いということは、肉食獣にとっても獲物が多いことを意味する。実際、今回はヒョウがヌーの子供を捕らえる場面に遭遇した。二つ目に、景色が綺麗で空気の透明度も高いため写真を撮る上で非常に都合がよい。様々な花も咲いているので彩りも豊かになる。そして三つ目に雨季はローシーズンと思われているため、セレンゲティのような知名度の高い場所でも比較的人が少なく、ゆったりと過ごすことができるのだ。

一通りの動物をとにかく見たいだけであれば、草丈が短く水場に多くの種が集まる乾季の方が手っ取り早いのは間違いない。しかし、写真に主眼を置くとなると、空気が埃っぽく、ほとんどの草木が枯れているため景色に黄色か茶色が大半で、さらに動物たちがエネルギーを温存するために極力動かないようになる季節というのは決して理想的とは言えない。私にとってのセレンゲティのベストシーズンは間違いなく雨季だ。

今回は実に多くのライオン、そしてヒョウのみならずチーターの狩りも見たし、セレンゲティで見られる草食獣の大半は撮影に成功した。また、ダイナミックな雨雲や大きな夕日など、動物以外の部分でも大自然を大いに堪能することができた。

セレンゲティ国立公園の入り口
セレンゲティ国立公園の入り口
大きなオスのアフリカゾウにも大接近
大きなオスのアフリカゾウにも大接近
サバンナの上空に浮かぶ大きな雨雲
サバンナの上空に浮かぶ大きな雨雲
雨季は花々も綺麗
雨季は花々も綺麗
日向ぼっこするコビトマングースの家族
日向ぼっこするコビトマングースの家族
ピクニックサイトでの朝食
ピクニックサイトでの朝食
ロッジの近くにいたキリンの群れ
ロッジの近くにいたキリンの群れ
母親の背中に乗るヒヒの子供
母親の背中に乗るヒヒの子供
獲物を見つけ、木から降りてくるヒョウ
獲物を見つけ、木から降りてくるヒョウ
ヌーの子に襲いかかるヒョウ
ヌーの子に襲いかかるヒョウ
ガゼルに狙いを定めダッシュするチーター
ガゼルに狙いを定めダッシュするチーター
平原をゆくヌーの群れ
平原をゆくヌーの群れ
巣穴から出てきたブチハイエナ
巣穴から出てきたブチハイエナ
ライオンのハネムーンカップル
ライオンのハネムーンカップル
セレンゲティ南部の平原地帯
セレンゲティ南部の平原地帯
ピクニックサイトのツキノワテリムク
ピクニックサイトのツキノワテリムク
サバンナでの記念撮影
サバンナでの記念撮影
草むらの中のライオン親子
草むらの中のライオン親子
マガディ湖の大フラミンゴ
マガディ湖の大フラミンゴ
ロッジの丘でカクテルを飲みながら夕日を撮影
ロッジの丘でカクテルを飲みながら夕日を撮影
セレンゲティ・セレナ・ロッジの部屋の外観
セレンゲティ・セレナ・ロッジの部屋の外観
ロッジの食事は品数の多いビュッフェ形式
ロッジの食事は品数の多いビュッフェ形式
緑で溢れるンゴロンゴロ・クレーター
緑で溢れるンゴロンゴロ・クレーター
ピクニックサイトではカバも撮影できる
ピクニックサイトではカバも撮影できる
クレーターにはケープバッファローも多い
クレーターにはケープバッファローも多い
サファリカーには目もくれず道を進むライオンたち
サファリカーには目もくれず道を進むライオンたち

◆山形豪さんと行く タンザニア・セレンゲティとンゴロンゴロ 写真撮影ツアー 10日間

WILD AFRICA 37 チーターの狩りを撮る

アフリカの野生動物を撮影する人間にとって、全速力で獲物を追うチーターの写真はものすごく欲しい”トロフィー”の一つだ。かく言う私も、1993年にタンザニアで動物写真を撮り始めて以来25年間ずっと挑戦し続けてきた。そして今年の1月、数年来通い続けているボツワナのマシャトゥ動物保護区で、やっとある程度納得のいくハンティングシーンを撮ることができた。

”ある程度”というのは、時刻が日没後だったためにとても暗く、カメラのISO感度をかなり上げざるをえなかったためだ(感度を上げるに従って写真の画質は低下する)。

チーターの狩りを撮るには様々な条件が一度に満たされねばならない。第一の条件は、当然ながらチーターを発見すること。それも腹を減らしたチーターをだ。空腹かどうかは腹の凹み具合や尾の先を左右にパタパタと動かす仕草などで見分ける。付近にインパラやガゼルといった獲物の存在も不可欠で、チーターがその獲物に気づかれることなく、50メートルくらいの距離まで忍び寄れるだけの地形的条件ないしは植生も必要だ。遠すぎる位置からでは、いくらダッシュをかけても獲物に逃げ切られてしまう公算が高いことをチーターはよく心得ている。

ところが、撮影をする側にとって遮蔽物が多すぎるのは問題で、なるべく開けた場所で狩りをして欲しい。しかもチェイスがこちらに向かってくる形で起きてくれなければアップでは撮れない。となると、手前に獲物、その奥にチーターが見えるポジションで待ち構えるのが一番確実で、車をそのような場所に停められるかどうかが鍵となる。あとはいざ狩りが始まったとき、追われた獲物がこちらに向かって逃げてくれるよう、ひたすら願うのみだ。

1月9日は、ついにこれらの条件がすべて同時に揃った、私にとって記念すべき日となった。チーターがダッシュを開始した直後、危険に気づいたインパラは全力で車のすぐ左を駆け抜け、その後をチーターが猛スピードで追った。写真はそのときのものだ。しかもこの直後、何とインパラが追っ手を振り切ろうと180度に近いターンをし、今度は車の右側をすり抜けていったため、チーターも反転し、最終的には車の右前方でインパラを捕らえた。最高時速100km以上で走るチーターのチェイス一部始終を、それもかなりの近距離から撮影できたのは25年間で初めての経験だった。粘り強く続けていればやがてチャンスは巡ってくる。これだからサファリはやめられないのだ。

撮影データ:ニコンD850、80-400mm f/4.5-5.6 VR、1/1250秒 f5.6 ISO7200

写真・文 山形 豪さん

やまがた ごう 1974年、群馬県生まれ。少年時代を西アフリカのブルキナファソ、トーゴで過ごす。高校卒業後、タンザニアで2年半を過ごし、野生動物や風景の写真を撮り始める。2000年以降は、南部アフリカを主なフィールドとして活躍。サファリツアーの撮影ガイドとしても活動している。写真集「From The Land of Good Hope(風景写真出版)」、著書に「ライオンはとてつもなく不味い(集英社新書ヴィジュアル版)」がある。www.goyamagata.com

WILD AFRICA 36 昼の砂漠でネコ探し

一般的にサファリのベストタイムは早朝と夕方遅くとされている。これは、動物たちの活性がそれらの時間帯に最も高くなることと、写真を撮る上で光が一番綺麗でダイナミックであるというのが理由だ。そのため多くのサファリツアーでは、早朝から10時くらいまでゲームドライブをしたら、一旦宿に戻って食事と昼寝をして、午後4時くらいに再び出発というスタイルをとる。

では、昼間動き回ることにまったく意味がないかと言えばそうとも限らない。例えば南アフリカとボツワナにまたがるカラハリ・トランスフロンティアパークでのサファリでは、陽が最も高い時間帯はリビヤネコを探す絶好のチャンスだったりするのだ。イエネコの原種の一つであるリビヤネコは、カラハリ砂漠に多く生息するが、小柄で警戒心が強い上、非常に目立たない色をしているため地上で動き回っているところを発見するのはとても難しい。ところが、彼らは暑くなるとアカシアの木に登って涼む習性を持っており、タイミングとコツさえ分かっていれば比較的容易に見つけられるのだ。

そのコツとは以下のようなものだ。車を走らせながら、道路際に立っている大きなアカシアの木を丹念に見て回る。葉がまばらなものや枯れているものはダメで、幹が太く葉が濃い影を作っているものだけに注意を払う。すると、主に幹が二つに分かれている股の部分にピンク色の、およそ木には似つかわしくない「異物」が見えることがある。これはリビヤネコの耳が太陽光で透けているためだ。大抵は寝ているのだが、車が近づくと頭を上げてくれることもよくある。

写真のリビヤネコは2017年11月22日の13時過ぎに、ノソブ・キャンプの南ゲートから1km程度のところで撮影した。枝が道路の上に覆いかぶさるように生えているアカシアの木にいたので、かなりアップで撮れたし光も悪くなかった。ほとんどの人は遠くばかりを気にして、目の前の木の上は注視せずに通り過ぎていたらしく、付近に車が止まった形跡はまったくなかった。灯台下暗しというヤツだ。リビヤネコは気温が高くなればなるほど頻繁に木に登るようになる。従ってベストシーズンは夏場の12月から2月くらいまでだ。ある年の2月には1日で12匹のネコを見つけたこともある。ただ、猛烈に暑い時間帯に動き回らねばならないのでそれなりの気合と体力は必要だ。

撮影データ:ニコンB700、1/250秒 f/5.6 ISO180

文・写真 山形 豪さん

やまがた ごう 1974年、群馬県生まれ。少年時代を西アフリカのブルキナファソ、トーゴで過ごす。高校卒業後、タンザニアで2年半を過ごし、野生動物や風景の写真を撮り始める。2000年以降は、南部アフリカを主なフィールドとして活躍。サファリツアーの撮影ガイドとしても活動している。写真集「From The Land of Good Hope(風景写真出版)」、著書に「ライオンはとてつもなく不味い(集英社新書ヴィジュアル版)」がある。www.goyamagata.com

2017.8.17発 山形豪さんと行く ベストシーズンのザンビア 写真撮影ツアー 10日間

このツアーでは、サウス・ルアングワとロウワー・ザンベジという、日本ではほとんど知られていないザンビアの国立公園二ヶ所を回った。いずれの場所も大きな川沿いに位置し、植生も豊かなため野生動物は種類、数ともに豊富だ。しかも乾季にあたる8月は、下草がまばらで見通しが利く上に動物たちが水辺に集中するのでサファリには最適な時期だった。使用する車はオープンカーなので撮影条件もよく、ナイトドライブも出来るとあって結果は上々。特にヒョウは子連れの母親も含めてトータル6頭見たし、ライオンの数も多かった。ゾウやカバに至っては、宿泊していたロッジにも昼夜を問わずやってきていた。さらに通常のサファリではお目にかかれない夜行性動物たち(シベット、オオガラゴ、ヤマアラシ等々)にも多く出会えたので実に楽しいサファリとなった。

このツアーは2018年8月も開催予定だ。

初日、サウス・ルアングワに到着してすぐ行ったゲームドライブでは、早々にリカオンの群れに遭遇し、幸先の良いスタートとなった
初日、サウス・ルアングワに到着してすぐ行ったゲームドライブでは、早々にリカオンの群れに遭遇し、幸先の良いスタートとなった
乾季は動物たちが水場の周りに集中するのでサファリには最適な時期だ
乾季は動物たちが水場の周りに集中するのでサファリには最適な時期だ
サウス・ルアングワやロウワー・ザンベジは、国立公園でありながらナイトサファリが許されているので、普段はお目にかかれない夜行性動物に会える可能性が高い。
サウス・ルアングワやロウワー・ザンベジは、国立公園でありながらナイトサファリが許されているので、普段はお目にかかれない夜行性動物に会える可能性が高い。
ナイトドライブで出会ったハネジネズミ
ナイトドライブで出会ったハネジネズミ
サファリにはオープンカーを使用するので撮影条件は非常によい。早朝、ルアングワ川沿いで川を渡るゾウたちを撮影した時の模様。
サファリにはオープンカーを使用するので撮影条件は非常によい。早朝、ルアングワ川沿いで川を渡るゾウたちを撮影した時の模様。
ルアングワ川を渡るゾウの群れ。対岸は我々が宿泊していたロッジの敷地だ。
ルアングワ川を渡るゾウの群れ。対岸は我々が宿泊していたロッジの敷地だ。
川の中で水を飲みながら挨拶を交わすゾウ
川の中で水を飲みながら挨拶を交わすゾウ
早朝出会った綺麗なメスのヒョウ。ヒゲがとても長く、ちょっと垂れ目な美人さんだった。川辺の湿地帯で獲物を探していた。
早朝出会った綺麗なメスのヒョウ。ヒゲがとても長く、ちょっと垂れ目な美人さんだった。川辺の湿地帯で獲物を探していた。
道端の草むらの中にいた生後2ヶ月程度と思われる子ライオン。母親たちも近くにいた。
道端の草むらの中にいた生後2ヶ月程度と思われる子ライオン。母親たちも近くにいた。
サウス・ルアングワでの最後のサファリでは、樹上でインパラを食べるヒョウの親子に遭遇した。早朝の光が綺麗にあたってくれて撮影条件は最高だった。
サウス・ルアングワでの最後のサファリでは、樹上でインパラを食べるヒョウの親子に遭遇した。早朝の光が綺麗にあたってくれて撮影条件は最高だった。
サウス・ルアングワで泊まったフラットドッグス・キャンプの部屋。とても広々として快適だった。電気は24時間通じていたので充電も問題なし。
サウス・ルアングワで泊まったフラットドッグス・キャンプの部屋。とても広々として快適だった。電気は24時間通じていたので充電も問題なし。
レストランでは南アワインを取り揃えていた。ワイン好きには嬉しい。
レストランでは南アワインを取り揃えていた。ワイン好きには嬉しい。
フラットドッグス・キャンプはサファリロッジには珍しくメニューがアラカルトだった。これはある夜のオックステール。
フラットドッグス・キャンプはサファリロッジには珍しくメニューがアラカルトだった。これはある夜のオックステール。
ロウワー・ザンベジ国立公園は、アフリカ大陸3番目の大河であるザンベジ河沿いに位置している。手前がザンビア、対岸がジンバブエだ。
ロウワー・ザンベジ国立公園は、アフリカ大陸3番目の大河であるザンベジ河沿いに位置している。手前がザンビア、対岸がジンバブエだ。
ロウワー・ザンベジのチョングウェ・リバー・キャンプでのランチ風景。川面を走る風が実に心地よかった。気温も高すぎず低すぎず、快適そのもの。
ロウワー・ザンベジのチョングウェ・リバー・キャンプでのランチ風景。川面を走る風が実に心地よかった。気温も高すぎず低すぎず、快適そのもの。
ダイニングエリアのすぐそばの木にやってきたオニヤマセミ。アフリカ大陸最大のカワセミだ。
ダイニングエリアのすぐそばの木にやってきたオニヤマセミ。アフリカ大陸最大のカワセミだ。
ロウワー・ザンベジ名物の一つがボートサファリ。
ロウワー・ザンベジ名物の一つがボートサファリ。
川辺には巨大なワニやカバ、多くの水鳥などがいる。
川辺には巨大なワニやカバ、多くの水鳥などがいる。
野鳥を激写中の参加者の皆さん。
野鳥を激写中の参加者の皆さん。
川岸の崖に巣を作るシロビタイハチクイ。
川岸の崖に巣を作るシロビタイハチクイ。
草を食むケープバッファロー。ボートサファリだと自分の目線が非常に低い上に動物たちの警戒心もゆるいので、車からの時とはまったく違った写真が撮れる。
草を食むケープバッファロー。ボートサファリだと自分の目線が非常に低い上に動物たちの警戒心もゆるいので、車からの時とはまったく違った写真が撮れる。
夕方、ザンベジ河を渡る二頭のオスのゾウをボートから撮影。
夕方、ザンベジ河を渡る二頭のオスのゾウをボートから撮影。
河の中は光を遮るものがない上、様々な方向から撮影できるので面白い。
河の中は光を遮るものがない上、様々な方向から撮影できるので面白い。
ロウワー・ザンベジではボートのみならず、カヌーサファリもできる。基本的にガイドが漕いでくれるが、自分で漕いでみたければそれも可能。
ロウワー・ザンベジではボートのみならず、カヌーサファリもできる。基本的にガイドが漕いでくれるが、自分で漕いでみたければそれも可能。
音もなく水面を進むカヌーからカバの群れを見ると、モーターボートの時とは違う印象を受ける。
音もなく水面を進むカヌーからカバの群れを見ると、モーターボートの時とは違う印象を受ける。
ロッジのラウンジにやってきたゾウ。大好きな木の実を食べるため、毎日何頭もが入れ代わり立ち代わり訪れていた。
ロッジのラウンジにやってきたゾウ。大好きな木の実を食べるため、毎日何頭もが入れ代わり立ち代わり訪れていた。
チョングウェ・リバー・キャンプの部屋。テントタイプだが非常に快適。写真はシングルのもの。シャワーは24時間お湯が出るし、電源もあるのでカメラ等の充電は問題なくできる。
チョングウェ・リバー・キャンプの部屋。テントタイプだが非常に快適。写真はシングルのもの。シャワーは24時間お湯が出るし、電源もあるのでカメラ等の充電は問題なくできる。
ゲームドライブで出会ったライオンたち。車が近づいてもまったく気にしていなかった。
ゲームドライブで出会ったライオンたち。車が近づいてもまったく気にしていなかった。
ロウワー・ザンベジはサウス・ルアングワに比べると植生が濃いので、陸上での撮影は若干難易度が高いと感じた。
ロウワー・ザンベジはサウス・ルアングワに比べると植生が濃いので、陸上での撮影は若干難易度が高いと感じた。
同じ場面も広角から超望遠まで、様々な画角で撮ることでバラエティーに富んだ写真が撮れる。写真はニコンのCOOLPIX B700の最大望遠で撮影。
同じ場面も広角から超望遠まで、様々な画角で撮ることでバラエティーに富んだ写真が撮れる。写真はニコンのCOOLPIX B700の最大望遠で撮影。
立派な角を持ったグレータークドゥのオスたち。
立派な角を持ったグレータークドゥのオスたち。
ナイトドライブで見かけたシロオマングース。完全に夜行性なので日中は絶対見ることのできない種だ。
ナイトドライブで見かけたシロオマングース。完全に夜行性なので日中は絶対見ることのできない種だ。
こちらも完全に夜行性のオオブチジェネット。ガイドがチューチューとネズミの鳴き真似をすると、車のそばまで寄ってきた。
こちらも完全に夜行性のオオブチジェネット。ガイドがチューチューとネズミの鳴き真似をすると、車のそばまで寄ってきた。
チョングウェ・リバー・キャンプには、夜行性動物を撮影できる観察小屋がある。夕食後、中で待ち構えていたらタテガミヤマアラシとブチハイエナがやってきた。
チョングウェ・リバー・キャンプには、夜行性動物を撮影できる観察小屋がある。夕食後、中で待ち構えていたらタテガミヤマアラシとブチハイエナがやってきた。
ザンベジ河の岸辺には、多くの巨大なバオバブが立っているエリアがある。
ザンベジ河の岸辺には、多くの巨大なバオバブが立っているエリアがある。

山形豪

■ツアー詳細 : 山形豪さんと行く ベストシーズンのザンビア 写真撮影ツアー 10日間

WILD AFRICA 35 動物写真とソーシャルメディア

アフリカの動物の中でもヒョウは個人的に好きな被写体で、これまでも頻繁に撮影してきたが、子供や親子の姿を写真に収めるのは中々難易度が高く、あまりいいものは撮れていなかった。ヒョウは警戒心が強く、人目に触れる場所に子を連れ出すことがあまりないし、子供の成長が早いので撮影できる期間も限られているからだ。
そんな中、数年来頻繁に訪れているボツワナのマシャトゥ動物保護区で、3頭のメスのヒョウにほぼ同時に子供が生まれ、それらが元気に育っているという情報が入ってきた。この春くらいから、現地でいつも世話になっているガイドや、南アフリカ人の写真家仲間らのフェイスブック投稿が、子ヒョウの画像だらけになったのだ。私は居ても立っても居られなくなった。何しろ母親3頭のうち2頭は、とても車慣れしていることでよく知られており、サファリカーが近づいても逃げ隠れしないので、3〜4日あれば親子の姿が撮れる公算が極めて高かった。そこで7月中旬、南アフリカ経由でボツワナに入りマシャトゥで4泊した。結果は予想どおりで、首尾よく撮影に成功した。写真はそのうちの一枚だ。

インターネットとスマートフォン、そしてソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の発展/普及は、世の中に実に多くの変化をもたらしている。それは自然写真の現場も例外ではない。様々な撮影地の情報が、場合によってはほぼリアルタイムで手元に届くようになったのだ。これまでは文献や口づてが頼りだったため、情報の“鮮度”や“精度”に問題があり、実際に現地に行ってみるまで分からないという不確定要素の部分が大きかったが、それらがかなり解消された感がある。
一方、あまりにも多くの情報がネット上に溢れ、ゴミと有益なものとを取捨選択するための、ある種のリテラシーが要求されるようになったのも確かだし、自分が日本から出られない状況にある時に、友人知人がアフリカのフィールドで楽しくやっているのを目にするのは、悔しさとフラストレーションの元にもなる。また、様々なサービスが次々登場するので、いちいちついていくのも楽ではない。現在のところ、私もフェイスブックとインスタグラムを使っているが、正直手一杯だ。

ちなみに、マシャトゥへは来年2月にツアーを予定している。ヒョウは生後1歳半ほどで独り立ちするので、生き残ってくれていれば、まだ母親と共にいる大きくなった子供たちの姿を見られるだろう。

撮影データ:ニコンD500、AF-S Nikkor 80-400mm f/4.5-5.6G VR、1/160秒 f/6.3 ISO800

文・写真 山形 豪さん

やまがた ごう 1974年、群馬県生まれ。少年時代を西アフリカのブルキナファソ、トーゴで過ごす。高校卒業後、タンザニアで2年半を過ごし、野生動物や風景の写真を撮り始める。2000年以降は、南部アフリカを主なフィールドとして活躍。サファリツアーの撮影ガイドとしても活動している。写真集「From The Land of Good Hope(風景写真出版)」、著書に「ライオンはとてつもなく不味い(集英社新書ヴィジュアル版)」がある。www.goyamagata.com