| ▲ キリマンジャロ登山と高山病のお話 |
先日、某雑誌で『これから登りたい山は?』の読者アンケートに、海外部門で堂々の1位だったキリマンジャロ。
比較的気軽に?登れる大陸最高峰ということもあってか、キリマンジャロ登山は弊社でも人気のツアーのひとつです。
さてこのキリマンジャロ、技術的には日本の夏山縦走山行(北アルプス)程度で充分、体力も同様、
寒さは下がっても最低−20℃程度、山行中に必要なもの以外はポーターが運んでくれる、と確かに楽に登れそうな
山なのですが、『高山病』という厄介なおまけがついてきます。
私はお医者さんではないので、弊社をご利用いただいたお客様の統計から判断するしかないのですが、
この高山病の症状の軽重にはかなりの個人差があります。
何となくの息苦しさから始まって、頭痛、めまい、吐き気、運動障害(歩行など)、意識の混濁などに(個人差は
ありますが)徐々に発展していきます。
さすがに5日間、長くても7日間のキリマンジャロ登山では、肺気腫や肺水腫、脳浮腫などの重篤な症状にまで
発展することはまずないのですが、だいたい半数の方は頭痛、吐き気を訴えます。
3,500mのホロンボ・ハットで症状が出始める方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は翌朝回復します。
本格的&継続的に症状が出始めるのは、高度的にはほぼ決まって4,000m前後。
4,700mのキボ・ハット到着時に、気付いたかのように皆さん頭痛を訴えることが多いです。
ここで、ガイド、添乗員を含めお勧めするのが、
『可能な限り水分を摂る』
こと。一見シンプルですが、高山病の主因は、体液が過剰に体内に溜まることと言われていますので、
尿を体に溜まった老廃物や毒素とともに体外へ出し続けていれば、高度順応の指標になります。
医学的に詳細なことは分かりませんが、とにかくこれで回復し、登頂を成し遂げた方は多数いらっしゃいます。
『高山病の影響で、登山の続行が不可能』、という状況に陥ってしまう前に心がけておくこととして、
@ 水をよく飲む(水分を十分摂取する)。
A よく食べる、そして消化を助けるためにいくら疲れていても食後すぐに横にならない。
B 睡眠を充分とる(暖かい寝袋で、快適な睡眠を心がけましょう)。
C 深呼吸(腹式呼吸)とゆっくりとした行動を心がける。
D 飲酒、喫煙は避ける。
上記5点を注意すれば、かなりの効果で高山病を予防できるといわれていますし、経験上からもそう言えると思います。
「水分を充分摂取する=大き目の水筒を運ばなければならない=重い」ではなく、山小屋やキャンプ地到着時に
登山スタッフが淹れてくれる、コーヒー・紅茶などをどんどん飲みましょう!
要は、水分を摂り、1日1.5〜2リットルの尿を出していれば良いのです。
上記5点を注意しても、ひどい頭痛を訴える方も、吐き気をもよおし、実際にはいている方も多くいらっしゃいます。
多くの場合は、アタック日深夜12時、アタックに出発する時間です。
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私からのアドバイスとしては、
@ 頭痛
人により個人差はあると思いますが、我慢できる程度なら無視しましょう!
急な登りで呼吸が激しくなってくれば、酸素も回り、頭痛は解消されます(休憩時には再びやって来ますが・・・)。
どうしても頭の痛みが気になるようなら、非ピリン系の眠くならない頭痛薬を飲んでしまいましょう!
A 吐き気
吐いてください!吐いてスッキリすることが8割以上です。ただし、吐いた後は水分の補給を忘れずに!
B 寒気&眠気
酸素が脳まで良く循環していないことで引き起こされます。ご自身を鼓舞していただくしかありません。
ある程度までは、根性でカバーしましょう!ですが、周囲が気付くくらい居眠りが増えてきたら下山していただくことになります。
C 平衡感覚の異常
これは本人では気付きません。この症状はちょっと厄介です。転んで怪我、あるいはよりシリアスな事故に繋がりかねませんので、
多くの場合はチーフガイド、もしくは添乗員の勧告でアタックを中止し、下山していただくことになるでしょう。しかし、
平衡感覚が狂っているとは言え、しっかりと歩けている方には、そのまま行けるところまで登山を続行していただく場合もあります。
D 意識の混濁
この症状がでた場合は、即刻下山していただきます。
※眠れないからといって睡眠薬を服用することは、非常に危険です!避けましょう!
怖がらず、冷静に自己観察をし、適切に対処すれば、シリアスな結果を招くことも少なくなります。
『誰でも登れる!』というのが定説になっていますが、キリマンジャロ登山をするうえでの大前提として、
@ 日ごろから健康管理に注意する。もちろん慣れない海外での登山ですので、現地についてからの健康管理にも充分留意する。
A 健康診断などで、自分の体の状態をしっかりと把握しておく。
B 日常的に歩く。登山の1年前から、1回30分以上のややキツイ有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、自転車など)を少なくとも週3回以上行う。
C 普段から登山に親しみ、登山に慣れた体を作っておく。
さらに、時期的に厳しいと場合もあるとは思いますが、もし可能であれば富士山などの高山に数回登っておくこと、
あるいは低酸素質でのトレーニングを数回行うことは効果が大きいといわれています。
ですが、登山中に怪我をして、予定していたキリマンジャロ登山を中止せざるを得なかった、という方もいらっしゃいました。
気をつけましょう!
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以上、添乗員・企画者(かつては登山ガイド)としての立場から高山病に関しての注意点をご案内しました。
お休みに余裕がある方は、高度順応日を1日余分に設けた日程で計画されることもあるでしょう。
また、日頃はお仕事で忙しく、「最短の10日間が限界だ」という方もいらっしゃるでしょう。
ご希望の方それぞれが、それぞれ違った条件を抱え込んで、登山に臨むことと思います。
いかなる山であっても、やはり登山ですので『安全・快適・楽ちん100%!』と、いうわけではなく、多少のリスクは伴ないます。
「高いお金を出しているんだから、何としても・・・・」というお気持ちも分かりますが、所詮遊びですので、できるだけ『安全・快適・楽ちん』
を目指して、無理をしないで登山を楽しんでいただきたいいですね。 |
道祖神 羽鳥
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