写真で登るキリマンジャロ/マラング・ルート

通称、コカコーラ・ルート。コカコーラが売っているから、またはコカコーラが売ってる程、観光化(整備)された登りやすいルート。
登山道はもちろん良く整備されており、奥多摩、丹沢並みの歩きやすさ(キボハットまで)。当然、登山客も多く華やかで賑やか。このルート利用での入山者の多いのと、常駐のレンジャーがいるため、事故等の緊急事態には迅速に対応でき、比較的気軽に?登山が出来る。宿泊はハット(山小屋)を利用するため、突然の天候の変化(雨、雪など)の場合でもシェルターとしてくつろぎを得られる。食事も食堂小屋での団欒(他の登山客ともあり)で和やかな雰囲気。
“登山”の雰囲気が強い。
マラングゲート  マラング・ゲート 標高1970M
標高1970M、キリマンジャロ登山のルートのうち最もポピュラーなマラングルートの 登山口です。
このゲートをくぐった左手の公園事務所で入山記録、登頂証明書の発行など の事務手続きをします。向かいには用具のレンタルやお土産の購入が出来るお店があります。
下山時にここで購入したビールで乾杯している登山者も多く見かけます。
樹林帯  樹林帯
マラングの村から続く樹林帯。
最下部にはバナナ、とうもろこし、コーヒーなども栽培されていて、上部に行くに従って、巨樹とサルオガセ、シダ類などが多く目に付くよう になっていきます。
湿気があるため雲が出ていることが多く、この樹林帯が全行程中最も汗をかきますので、水の補給はこまめに。
野生動物も、コロブス・モンキー、ブルーモンキー、 各種野鳥などが見られます。
所々開けた場所にベンチがあり、 そのうちのいずれかで昼食をとります。
つり橋  小川を越えて
キリマンジャロの全水量の96%はこの樹林帯に蓄えられます。麓の泉などから湧き出 るまでには50年かかるとも言われています。
1年を通して降雨があるこの樹林帯には 何本も小川が流れ、その一つ一つに架かる橋を渡って高度を上げていきます。
ランチ・ボックス  ランチ・ボックス
毎日の昼食は朝、出発前に渡されるランチボックスをルート上のどこかで食べます。
山の涼しい風に吹かれながら外でとる食事は最高です。
お弁当といってもコックが1食 1食手作りで作る、味も良いもので、ハンバーガー、サンドイッチなどの他にサモサや ちまき風サモサ?など現地食のときもあります。バナナ、オレンジなどのフルーツと きゅうりやトマトなどの野菜も入った簡単ですが、なんとなく豪華なものです。
マンダラ・ハット  マンダラ・ハット 標高2700M
切り開いた樹林帯の中の日当たりの良い場所に建てられた西洋風の山小屋です。
一部屋の床数は4つ。寝床にはマットレスが用意されていて、太陽光発電で電気も つく清潔で快適な山小屋ですが、日照時間が足りない日は電気がつきません。
トイレは水洗で清潔です。食事は大型の食堂小屋でとります。
早く着いてしまった時は、往復約1時間の散歩で近くのマウンディ・クレーター見学がオススメです。クレーターの淵から望む 眼下の広大なサバンナは一見の価値あり!
マウェンジ峰を望む  マウェンジ峰を望む
マンダラ・ハットを出発後すぐに樹林帯が切れ、ヒースが生える低潅木帯に変わります。 風景は少しずつ開け、マウェンジ峰の上部が見えてきます。
通常では峰に雪はついていませんが、降雨後は上部に雪を戴いていることもあります。
ホロンボ・ハットへの道  ホロンボ・ハットへの道
高度を上げていくと共に、ヒースも徐々に背丈が低くなってきます。日本の標高2500 M以上のハイマツ帯の疎らな感じを想像して下さい。
イエロー&レッド・ホットポーカー や、プロテア・キリマンジャリカ、エバーラスティング・フラワー(永遠の花)などの高山植 物も多くなってきます。登山道は階段状で足場も良くとても歩きやすくなっています。
ローリング・グラス・エリア  ローリング・グラス・エリア
さらに高度を上げると所々ヒースの生えない、俗に「ローリング・グラス」と呼ばれる短い草に覆われた斜面が多くなってきます。
主峰のキボはまだ見えませんが、マウェンジ峰 は一歩一歩進むごとにその姿を現してきます。
ホロンボハット  ホロンボハット 標高3650M
左手に切れ落ちた斜面を見ながら、高度を上げていくと平らになった部分に出ます。
ここがホロンボ・ハットです。マンダラ・ハットよりも大きな小屋が立ち並び、南に開けた景色は特に日の出と日の入り時、最高の見物となります。また北側には主峰のキボが見え、朝日と夕日に輝く氷河も肉眼ではっきりと見ることができるでしょう。
山小屋の床数は6で、2段になった床の上にマットレスが常備されとても快適です。ここにも太陽熱発電による電気がありますが、点灯しない時の方が多いのでヘッドランプや懐中電灯は必携です。トイレはここにも水洗のもの が敷地の中央部にあります。
調理風景  調理風景
山中での食事は3食すべて同行のコックが作ります。天気が良く暖かければ、このよう に外で作っているのも見学できるでしょう。
メニューはきちんと日替わりで、ご飯、パス タ、パン、ステーキ、サラダ、ローストチキン、タンザニア風シチューなどなど何でもあ り。味も、頼りない灯油ストーブで作ったとはとても思えない日本人の口に合うものです。 また、食事時には必ず、コーヒー、紅茶、ココアが付きます。コックの料理がお口に合わない時のために、レトルトの日本食をお持ちになることをオススメします。
出発前  出発前
山小屋の朝は毎日、ポーターのモーニング・コールと洗面器にためた洗顔用のお湯で目覚めます。寒い朝にはとてもありがたい!
朝食後、まとめた預け荷物を小屋の外に出すとポーター達が集め、配分し、 一人一人次々と先に登って行きます。彼らのおかげで私達も快適な登山を楽しむことが出来るのです。

キボ峰を望む  キボ峰を望む
ホロンボ・ハットを出発し、真っ直ぐにキボ峰を目指して登って行きます。
比較的緩やかな登りが続きます。
ここから望むキボ峰は頂上直下の左右に氷河があり、まさに「輝く山」 の名に相応しい景観です。
セネシオの森  セネシオの森
登山道の右手にはマウェンジ峰が望め、肉眼でも岩肌までかなりくっきりと見ることがで きます。マウェンジまで続くなだらかな斜面には低潅木が生い茂り、所々に流れる小川沿いに東部アフリカの高山特有のセネシオやロベリアなどの高山植物が見られます。
ラスト・ウォーターポイント  ラスト・ウォーター・ポイント 標高4100M
ホロンボ・ハットからキボ・ハットまでのルート上の約3分の1の地点にラストウォータ ー・ポイントがあります。通常はここで小休憩をとります。水場といってもここの水は飲まない方が良いでしょう。コック達もここの水を汲んで料理に使うようなことはありません。この小川の少し上流の流れのある場所の水を汲んで煮沸し、料理や飲料に使っています。
サドル  ザ・サドル
マウェンジ峰とキボ峰の間に広がる緩やかな勾配の高地砂漠地帯は、その形状通り「ザ・ サドル(鞍)」と呼ばれています。
汗をかくようなことはありませんが、気温はかなり高く日差しも強烈で、紫外線の多い日差しには日焼け止めが必要です。
このサドルまで来るともうほとんど植物が見当たらなくなります。ここまで来ると高山に来た!という感じが強く なります。
キボ・ハットへの道  キボ・ハットへの道
通常のペースで登山ができれば、サドル部の中間地点にある休憩所(トイレもあります)で昼食をとります。
もうここからキボ・ハットを望むことができ、近く感じるのですが、 ここからが長い!平坦な赤みを帯びた砂地の上り坂で歩行は楽です。
キボ峰への急登と緩やかなのぼりの接点にある緑のトタン屋根の小屋がキボ・ハットです。
キボ・ハットキボ・ハット  キボ・ハット 標高4710M
通常、午後2時頃に到着。
もうここまで来るとほとんどの方が高山病の症状を訴えます。食欲減退、頭痛、吐き気、悪寒、寒気、手足のしびれなどです。
ハットの中は二段ベッドが3つ〜5つの小部屋がいくつかありますが、他のハットと違って建物は1つだけです。疲れてしまったからといってすぐにベッドに横になることは避けましょう。高度順化がストップしてしまい、高山病の症状はひどくなってしまうでしょう。
この高度まで来ると日差しは強くともさすがに寒く感じます。外気温は昼間で15度ほど。夜間は−10度くらいまで下がります。
キボ・ハットでは食事はコックが部屋まで運んでくれますので、部屋の大テーブルでとります。内容は変わりありませんが、コックがミルクを出すのをストップします。吐いてしまうためだと言われています。
ほとんどの方が食欲減退しますので、レトルト食品などお持ちになってエネルギーを補給するのも一つの手です。カップラーメンなどはお湯の沸点が低いため、麺が硬めであまりおいしくは出来ません。暖めただけで食べられる食品がオススメです。トイレは外にあり、流水はありませんが、雨水を貯めているため水洗です。頭痛と寒さでトイレに行くにも一苦労ですが、体内の水分を充分循環させることが高山病予防に良いので、億劫でもこまめに行くように心がけましょう。
キボ峰を臨む  間近に迫るキボ峰
頂上まであと1185M。最終ハットのここまで来ると、キボ峰が本当に間近に見えます と共に頂上までの険しい急登と、巨大な山容に畏怖の念を抱くことでしょう。氷河も肉眼 で望めます。
ギルマンズ・ポイントへの道  ギルマンズ・ポイントへの道
キボ・ハット到着後、遅くとも午後5時には就寝し、午後11時に起床します。
ビスケッ トと紅茶の簡単な腹ごしらえをし、防寒着とヘッドランプ、デイパックにテルモスを入れ午前0時に出発します。
外気温は約−10度で、月夜以外は漆黒の闇です。ここから延々と続くジグザグの急登をひたすら登って行きます。
スタート時に頭痛がしてもある程度までは問題ないといわれています。登り始めると体内の血液が循環し、酸素が体内に周り頭痛も軽減していきます。ルートは勾配が急で、深い砂地で足が砂に取られかなり体力を消耗します。
良いペースで登っていけば、ギルマンズ・ポイント近くで背後から昇る朝日を眺めることが出来ます。約6〜8時間の登りの後、最後の急登を越えるとギルマンズ・ポイントに達します。寒さでカメラのバッテリーが働かなくなることが多いので、懐にカメラをしまい暖めておきましょう。
ギルマンズ・ポイント  ギルマンズ・ポイント 標高5685M
ギルマンズ・ポイントはクレーターのリムにあたります。
ここまで来ると氷河が比較的近くに見え、その巨大さを実感できます。
ここに朝7時前に付くことが重要です。それ以降になってしまうと時間の関係でウフル・ピークまで辿り着けないことがあります。通常7時半以降に到着の方はここから下山することになります。
ピークへの道  ピークへの道
ギルマンズ・ポイントから平均約2時間でアフリカ最高地点、ウフル・ピークに着きます。ギルマンズ・ポイントまでとは違い、緩やかな登りを氷河や岩場を回りこみながら登って行きます。火口クレーターは青白く林立する氷柱や、雪で覆われています。 この氷河を右側に望めます。火口クレーターの直径は2.4kmもあります。
氷河  氷河を望む
近い将来なくなってしまうと言われているのが嘘のような巨大な氷河は一辺の高さが20〜30mあります。1920年代には山頂すべてを覆っていた氷河も、温暖化の影響で年々規模を縮小し、2030年には消滅してしまうと言われています。
 ウフルピーク 標高5895M
アフリカ大陸最高地点です。
クレーターから吹き上がってくる冷たい風も達成感で心地よく感じます。
ピークにはタンザニア初代大統領ジュリアス・ニエレレの言葉「我々は、彼方国境に輝くキリマンジャロ山頂に灯火を掲げよう。絶望あるところに希望を、憎悪あるところに尊厳を与えるために・・」と記されたレリーフがあり、その感動をひときわ大きいものにしてくれるでしょう。

 

健康な身体と情熱があれば、キリマンジャロは来るものを拒みません。

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