ケニア雑学入門」 企画の意図

毎年春に実施している、ケニアに暮らす人々にふれあう「ケニア雑学入門」。サファリではないケニアの魅力を知ってもらうため、ケニア在住のライター早川千晶さんの案内のもと、ナイロビ最大のスラム・キベラ地区を訪問します。
このツアーの魅力を 、現在のツアー担当である、弊社紙田に話してもらいました。
−− このツアーどういった目的で企画されたのですか?

紙田

長くアフリカの旅行に携わっていて、多くのお客さんが「 アフリカ = 動物 」というイメージを持っているのがわかりました。
もちろん、野生動物の宝庫というイメージも大切なんですが、それだと日本に来た外国人が東京と京都だけを見て「 日本 = 芸者・ネオン 」というイメージを持つのと一緒になってしまいかねない、と思い、アフリカを観光するにも違った面、そこに暮らす人々を見て欲しいと思って企画しました。


−− 実際にツアーに参加されたお客さんの反応はいかがでしたか?

紙田

このツアーでは「 ナイロビ・キベラ地区というスラムに暮らす少年達に会いに行く 」という手配をしてます。皆さん初めはスラムと聞いて「怖いところ」といったイメージを持たれてしまうんです。また、同様に「かわいそうな人々を励ます」というような雰囲気になってしまうんです。

しかし、実際に行ってみると、貧しく、電気も通っていないようなところで明るくがんばっている人たちを見て驚かれます。何か手助けをするつもりだったのに、逆に背中を押されるような気持ちになるお客さんが多いようです。

もちろん、中にはショックを受けるお客さんもいます。
そのお客さんは ボランティアに興味があって、まず、現場を見ようと参加されたのですが、スラムのにおい、ごみ、裸足の子供など、あまりに日本との環境が違うので、途中、落ち込んでしまったのですが、今ではその経験をバネに日本でボランティア活動をされているようです。


−− 現地を案内してくれる早川千晶さんのことについて教えて下さい。

紙田

早川さんはナイロビで生活するライターの方です。
彼女はキベラの教育、医療、ストリートチルドレンといった、問題に対して精力的に活動されていらっしゃいます。

我々の考えとも通じる物があるので、協力しあい、より多くの日本人に、現実を見てもらおうと頑張っているところです。


−− それはどんな考えですか?

紙田

例えば、日本からキベラ地区に毛布や古着の寄付があったとします。
通常であれば、恵まれない子供にそれらを届けて終わりなのですが、それではその後が続きません。

彼女は現地で、そのような寄付があった場合、バザーを開きます。
そこで、古着の競りを始めるんです。
そうすると、キベラ地区の人たちが自分達で働いて得たお金から、それらの古着を購入します。
そして売上金は子供達の学校を作るための基金となるのです。

このように 「あげる人もらう人」という考え方では無く、寄付された物を通して地区全体が活性化するシステムを作る手助けが必要なんだと早川さんも我々も考えています。


学校を作ろうとしているのですね。

紙田

早川さんは、すでにキベラ地区に小さな学校を作りの支援をしました。
そこでは、元々教師だった住人が、恵まれない子供達のために授業をしていました。
自分の生活が厳しいにもかかわらず、子供達のために教えているんです。

「勉強ができて嬉しい」という子供の目の輝きを見ると、何か考えられずにはいられません。


助け合いの精神が根付いているんですね。

紙田

「ハランベ」という言葉が東部アフリカにはあります。簡単に言うと助け合いの精神”相互扶助”です。

確かにキベラ地区の人々はお金がありません。しかし、どんな小額でもみんなで出し合えば誰かを助けることができる、というハランベの精神が根付いているため、学校を作るさいにも全員で知り合いの伝手を頼って安い木材を手に入れ、手に職を持っていた人たちは子供達のために学校建築を手伝うのです。


いい話ですね。昔の日本もこんな感じだったのかな?なんて考えてしまいます。

紙田

そうですね。布きれを丸めたボールでサッカーをしている子供たちに新品の新しいサッカーボールを買ってあげる、というのは新品のサッカーボールが破けてしまえばお終いですからね。
極端に言えば、サッカーボールの作り方を教えてあげる必要があると思うんです。

先ほどの早川さんは、キベラ地区に住むシングルマザー達にお裁縫教室を開いています。生活の糧を与えるのではなく、生活の糧を得る手段を教えて、彼女達の自立を支援しているのです。

この「ケニア雑学入門」では、そういった活動が行われている現場にお邪魔して、話し合い、共に体験することで、我々日本人にできることは、何なのだろう、と考えて頂くきっかけを作れたらな、と考えています。