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4日目
2007年1月1日は、良い天気だ。6時半から朝のゲームドライブ。道は、やはりぬかるんでいた。
ニューイヤーは、2頭のセグロジャッカルから始まった。
雨上がりの濡れたサバンナで、朝陽に照らされたジャッカルが立っていた。車が近づいても逃げないで、じっと太陽の方向を見ている。体の毛は、濡れていた。
近所の犬のような表情でこちらを見ていた。
その後、ダチョウの親子を発見。数羽の雛が、いっしょにいた。
近くには、トピの子連れの群れがいる。朝陽の中、濡れて鮮やかな緑となったサバンナで穏やかな光景が
繰り広げられていた。
10分ほど進むと、数台の車が止まって乗客が、遠くを見つめている。何がいるのか?ドライバーが、遠くに
チーターがいるという、どこにいるのかわからない。
しばらくすると、急に車のスピードを上げ、ぬかるんだ道を走り出した。車は、激しく上下動をし、体は座席シートから宙に浮く。ドライバーがしきりに「Sit down!」と叫ぶ。何のことだろう。揺れるから座ってろということなのか。
すると、「チーター」と一言。車の前にチーターの子供が、3頭座っていた。すぐそばに母親のチーターがいる。
まだ、生後1ヶ月程の子供が、じゃれ合いながら草の中を走りだした。チーターの子供をマサイ・マラで見たのは2回目だが、背中にタテガミのような毛が残る生後1ヶ月のチーターは、初めて見た。
動きが早くて、あまりシャッターを押すことができないまま、親チーターと共に遠ざかっていく。子連れだと親は、危険性を感じると安全な距離まで離れて行ってしまう。ファンダーを覗いていると、子供がジャンプして前足で親の頭を掴んでいる。もっと近くでやってくれたら、無邪気なシーンが撮れたのに残念。


その日の午後は、若いオスライオン、ロッジ近くで遠くにクロサイを発見。小さい虫ほどの大きさにしか見えないが、確かにクロサイだった。4年振りのクロサイだが、遠かった
5日目
ニューイヤー2日目は、スタックした車のけん引から始まった。
今回、マサイ・マラに来てから雨で、道やサバンナがぬかるんでいるため、一日4~5回はスタックした車のけん引をしていた。
乗っていた車が4WDなのでスタックすることはなかったが、救助することが多かった。
ゲームドライブに使用する車は、すべて4WDにした方が良いのだろうが、ケニアでは大変なコストが
かかるだろう。
晴天で陽射しも強く、気温も上がってきた。午後は、レア物を発見。フンコロガシである。
牛糞の沢山あるマサイ村などでは、よく見かけるが、サバンナでは初めてだった。
砂地のところをソフトボールぐらいの丸い塊を2匹のフンコロガシが、運んでいた。1匹が、こけた。
すぐに体制を整えて、また運びだした。車から降りて、グッとマクロレンズで撮ってみたいが、原則としてサバンナには降りられないのだ。昆虫も観察しているとおもしろいものだ。
午後は、ヒョウのテリトリーでしつこく観察したが、10台以上の車が来ていた。見たという噂なのか本当に見たのかわからない。
その日、ロッジへの帰りに激しく雨が降り出した。道があっという間に川状態。
雷も鳴り出した。ライトをつけての走行となるが、雨が強くて先が見えにくいほどの雨量だ。
途中で、スタックして傾いている車を発見、今度ばかりは救助しようがない。ドライバーは、助けを呼びに行ったようで車にはいなかったため、ロッジへ急いだ。
その雨も夕食を摂る時間には、すっかり止んで星が見えている。これが、サバンナらしい雨なのだ。
次の日は、フルディサファリをしようかと言っていたドライバーも、雨でスタックする危険があるから遠くへ行くことはやめようということになった。

6日目
次の日は、雨は降っていなかったが、早朝、サバンナへ出ていくとスタックしたままの車が数台道の脇で傾いている。
さっそく、ワゴン車のけん引となった。地元の人たちが、乗っていた。みんな車中で夜明かしした様子だ。しばらく進むと、今度は物資を積んだトラックが、スタックしていた。
ロッジへ運ぶ物資を積んでいた。
今回の雨は、いろんなところに影響を及ぼしているようだ。旅行会社のスタッフが、ゲームドライブに行く時は、食べる物を持っていってくださいねと言った意味が理解できた。ロッジに戻れず、車でお泊りもありえるのだ。
その後、見通しの良いサバンナで、数頭のハイエナを見た。イボイノシシは、可愛いと女性に人気があるが、ハイエナも耳が丸くクマのようにも見えなくもないのか好きな女性ファンもいる。
朝のゲームドライブを終えて、午後のゲームドライブまでは、ロッジ敷地内のサバンナモンキーを観察した。子連れの授乳を見ていたら、子供がこちらをジッと見つめていた。
午後のゲームドライブでは、チーターの発見があったらしく、数台の車が同じ方向に走っていた。
その後について走っていくと、見通しの良いサバンナに1頭のチーターがいる。
周りには、トピ、ガゼルの群れが警戒していた。こんなに見通しの良い場所では狩はできない。
チーターは、獲物に接近できる最短距離まで近づいてダッシュするから、身を隠す場所も必要なのだ。
何も起こらないと判断して、ヒョウのテリトリーに急ぐ。
夕方からまた雨が降りそうな雲行きなのだ。
そんな時、サバンナに虹が出た。

ヒョウは、昼間はほとんど木の上で過ごすしている。テリトリーに着くと1台の車が止まっていた。ヒョウがいる気配だ。木の枝が動いた。確かにいる。望遠レンズで覗いてみると、垂れ下がるシッポと胴体が見える。
寝ているのか呼吸する動きで体が動く。
顔が見えないが、やっとヒョウに出遭えた。一昨年は、キーコロックのテリトリーで発見し、良い写真が撮れたが、今回は良い写真にはならないが、一応これでBIG5は、クリアーした。
昨日夕方のような雨のこともあるため、帰りを急ぎぬかるんだ道で車のスピードを上げる。
なかなか運転のうまいドライバーだ。ラリーに出られるかも。
ロッジに着く前に、雨が激しくなってきた。たたきつけるような雨と雷だ。帰えれるのかと心配になるぐらいの雨なのだ。
なんとかロッジに着くが、部屋の前はかなりの水溜りだった。深夜には、雨は上がっていた。
今回は、雨で色々と予定外が多かったが、新しい体験もできた。小雨季でも、ゲームドライブには、食料、長靴、寝袋などが必要になるものだと実感した。
やはり地球の天候は、顕著に変化してきている。ケニア北部は乾燥化が進んでいるし、昨年、ケニアでは豪雨による洪水で沢山の犠牲者が出ている。
written by 日比野倉氏さん
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