マサイ・マラサファリレポート1日目
弊社のアレンジで、アフリカ大陸を周遊したお客様のレポートです。
今回はケニアのマサイ・マラ国立保護区へ到着された日のご様子です。

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→マサイ・マラ サファリレポート3日目

→ヴィクトリア・フォールズのレポート

※写真は全てイメージです。

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2003年8月23日
念願のマサイ・マラへ

軽飛行機

今朝は晴、爽やかに目覚める。今日はいよいよこの旅行のハイライト、マサイ・マラ国立保護区へ行く。
ナイロビ・ウィルソン空港。待合室は狭いのですぐに人でいっぱいとなる。マサイ マラ行きの飛行機がやって来た。操縦席と客席の間に何の仕切りも無い小型飛行機。
飛行機は離陸し、眼下から街の姿は消えた。原野の上空を飛行し、約45分後に到着。空港には建物も何も無い。サバンナの中に滑走路を敷いて空港にしている。空港に迎えに来ていたのは全てサファリカー。
乗客全員がここで降り、サファリカーに分乗して「カバナーズ・キャンプ」、または「リトル・ガバナーズ・キャンプ」へと向かう。


リトル・ガバナーズ・キャンプへ

リトル・ガバナーズ・キャンプ

我々はリトルの方。
サバンナの中を15分程度走り、車を降りる。降車したあたりは木が多い。車を降りたすぐ下はマラ川だ。

登山道のような道を15mほど下ると小船が待っていた。6名の乗客を乗せると、マラ川に差し渡したワイヤーを伝って船が移動する。
マラ川の水は、流れ込んだ土によって茶色く濁って、カフェオレの色をしている。
対岸の船着場からまた10mほど登って行くと、あちこちに警棒を持ったガードマンが立っている。宿泊客を動物から守る為、警戒しているのだ。全くの自然の中にキャンプ場がある。

マラ川から上がってきて、暫く歩いた所にキャンプ場があり、左手が森、右手が野球場ほどの池。池の向こうは森。キャンプ場はその左手の森と池との間にあり、芝が植えられている。
手前左が受け付けカウンター、正面手前がバー。バーと池との間に広場があり、そこがキャンプ場の青空レストラン。レストラン広場の真ん中にサークル状のカウンターがある。

食事時間は、カウンターの中にコックが立ち、調理をする。晴れた日の朝と昼はここで食事する。夕食はバーの後ろに室内のレストランがあり、そこで夜の食事をする。
受け付けカウンターより手前に(マラ川寄り)4張りの宿泊者用のテントがある。

テントはモスグリーンで、かなり大きい。長方形の家型テント。宿泊用テントは全部で17張りある。一番奥のテントから後ろはブッシュになっていてそのブッシュの向こうはサバンナとなっている。
池はブッシュの奥のあたりで終っている。これでキャンプ場の様子がお分かり頂けただろうか。


テントの中の様子

我々のテントは、レストラン広場から4張りほど後ろのテントだ。テントの大きさは奥行き8mほど、幅4mほど、高さは一番高いところで2mほど。
テント入り口はフライシートが庇のようになっている。そこにテーブルとイスがあり、外の景色を見ながら休憩できるようになっている。

リトル・ガバナーズ・キャンプ

テント内は手前の部屋がベッドルーム。奥に仕切りがあり、シャワールームで、シャワー、トイレ、洗面所、化粧台の設備が整っている。その部屋の大きさは2×4m。
ベッドルームにはシングルベッドが二つ。シングルベッドと言っても、日本で言うセミダブルくらいの大きさ。ベッドの枕元に小さなテーブル。
ベッドルームの隅には洋服掛け、荷物用の台、入り口近くに机など、設備は街中のホテルと何ら遜色が無い。

むしろこのような大自然の中にあって、これほどの設備が整えられているとちょっと戸惑ってしまう。
しかし、ここで三泊もするのだから不便を感じない方がいいのかもしれない。
ザンジバルで同宿したYさんに言わせると、ここのキャンプ場はなかなか予約が取れないとの事だ。大変羨ましがられ、それを聞いて我々も期待で嬉しくなった。この素晴らしいキャンプ場を選んでくれた旅行社の熊澤さんに感謝したい。

ウエルカムドリンクの後、割り当てられたテントへ向かう。
テントまでのホンのちょっとの距離でもガードマンが警棒を手に先導してくれる。街中だったら、まるでVIP扱い。
テントの出入り口はガッチリしたファスナーで、虫やヘビ・小動物の侵入を防いでいるかのようだ。


ランチに珍客来訪

昼食は広場になっていたガーデンで食事。
食事中、ふと池の方を見ると池のサバンナ側にバッファローが一頭、水面から頭だけ出して、池に生えている草を食べている。

「ほほう、食事をしながら動物ウォッチングか。こりゃいい」と言っている所へ今度は象が現れた。

象は池のマラ川側の森の中から現れた。最初は一頭だけ、様子見風に暫らく池のほとりにじっとしていた。その一頭が一声短く鳴くと、次からつぎへと大小の象が続々と現れる。池に入るもの、池の土手で草を食うもの、その行動はさまざま。
最終的には全頭が池に入ってしまった。

数えて見ると全部で21頭。生まれてほど無い赤ん坊の象が2頭いる。赤ちゃん象は水面からやっと頭が出るくらい。
場所によっては頭も水中に没してしまい、鼻だけ潜望鏡のように水面から突き出して移動する場所もある。

背中に水を掛ける象もいるが、どちらかと言うと草を食べている象の方が多い。象はあの長い鼻を、水面から出ている草に巻きつけ、毟り取っては口に運んでいる。ベリッ、ブチッと毟る音がする。
我々は池のすぐ脇のテーブルに座ったので、手前の象との距離はさほど遠くは無い。「いやぁ、このキャンプ場にはこんなオマケもあるのかぁ」と大感激。

リトル・ガバナーズ・キャンプ

食事が終った頃、マラ川側の土手から赤ちゃん象が池から直接ガーデンレストランに上がってきた。
その赤ちゃん象を追う様にして母象が上がって来た。母象の体は巨大で、真っ白な牙も長く立派である。ボーイ達は大慌てでカウンターに並べられたデザートや食物をしまい、テーブルとイスも片付けている。
このような事態には慣れているらしく、手際良くアッと言う間に片付いてしまった。

赤ちゃん像は大人の象と違い、チョコチョコとこまめに足を動かし、物珍しげにあっちへ寄り、こっちへ寄りしてテントの間をうろうろしている。
そのうしろを母象がゆったりと赤ちゃん象を追う。
その間、宿泊客はガードマンに行動を制止され、身動きがとれない。むやみに動くと子連れ象なので、襲われる可能性がある。
ここのキャンプ場は過去に二回テントを倒された事があるそうだ。
テントの棟とフレームの部分は鉄パイプだし、張り綱は太いロープ。底はコンクリートを打ってあるらしく固く平らである。そのテントを象はいきり立つと簡単に倒してしまうのだろう。

そうこうしている内に午後のサファリ出発時間が過ぎてしまった。他の人も同様である。
ヤキモキしながら親子象がキャンプ場から立ち去るのを待つ。多くの人がこの象の写真を撮っている。
我々にとって、こう言うハプニングがとても嬉しい。旅行中、予定外の事が起きると何だか得したような気になる。

親子象はテントの後ろ側に回り込み、林の中へと入っていった。これでキャンプ場の「戒厳令」は解除である。
急いで自分のテントに戻る。雨具を着込み、帽子を冠り、双眼鏡を持って船着場へと急ぐ。


初めてのサファリ

マラ川を渡り、サファリカーの待つ広場に着いたのは、予定時間に20分遅れ。
同乗者のアメリカ人二名は既に車に乗って待っていた。ドライバー兼ガイドの自己紹介があった。
ガイドの名前は「キリンガイ」氏。我々が日本人である事を知って名前を言う時、ニヤニヤ笑って自己紹介していた。
「キリン・ガイ」だとオスのジラフと言うことになる。風貌はイラクのフセイン大統領にそっくり(この時期は未だアメリカに捕らえられていなかった)ひょっとしたら、ガイド業は世を偲ぶ仮の姿?同乗のアメリカ人女性はアン、男性がトム。

中年男女だがとてもラブラブ。遠慮しながら後ろの座席でイチャついている。後部座席だと車の天井が低く、段差のある場所ではトムが頭をぶつけたりヒジをパイプにぶつけたりする。
見かねて我々の中央の座席と夫婦で交替したが、我々の前でイチャイチャするわけにも行かず、つまらなそうだった。
以来、二度と座席交替をしようとはしなかった。頭の二回や三回、ヒジの三回や四回ぶつけても後部座席の方がいいのだろう。

インパラ

さあ出発!どの様な景色、どんな動物が見られるのか期待で胸がドキドキする。
サファリカーが走り始めて最初に出会ったのがインパラ。道を挟んで右に10頭、にも10頭程度の群れ。森とサバンナの境目にいる。

インパラ達は道のすぐ脇にいるのだが、至近距離で車が通りかかっても逃げようとしない。
悠然とこちらを見ている。それだけでもう、嬉しくなってしまう。

さらに車は走る。草原の悪路なのでスピードは出せないが、右に左にユサユサと車は傾く。
時々えぐれた場所があり、水をたっぷり含んだ泥が60cmほどの深さで溜まっている。そこをゆっくりと嵌り込んでゆっくりと脱出する。
「スタックしたらどうしよう」とヒヤヒヤする。脱出すると思わず4人から拍手が湧く。フセインもまんざらでは無い顔をしている。


ライラック・ブレステッド・ローダー

途中、鳥がいると停車してガイドが案内してくれる。記憶に残ったのは美しい鳥「ライラック・ブレステッド・ローラー」写真が無いので色の説明が出来ないが、4色ほどの羽毛を身に纏ったムクドリほどの鳥。
その他スネーク・イーグル、セレクタリーバードなどいろいろ。
ガイドの説明だと、ヘビを捕食する猛禽類が多いようだ。

暫らく走ると見晴らしの利く大草原に出た。大きい景色だ。
遥か彼方の地平線はモヤにかすんでいる。まさに「遥か彼方」と言う言葉がピッタリの景色。しかも360度の大草原。
彼方にはシマウマの群れ、インパラの群れ、トムソンガゼルの群れ、ヌー、バッファローなどの草食動物が混然となっている。

映画、テレビで見るアフリカの景色が目の前に出現した。思わずウォー!と声を上げたくなった。
これぞ夢にまで見た光景。多くの動物達の生き生きとした動き。まさにこれぞアフリカ。

手前から遥か彼方まで、緑の絨毯の上にゴマを散らしたように動物達がいる。

感動で胸が熱くなる。目の前に現れたこの景色を、現実に見なければこの感動は伝わらないだろう。

ひとしきりこの景色を堪能して車はゆっくりと走り出す。車は岩石がゴロゴロしているサバンナの外れ(?)の方に向かって走る。土地が少し小高くなった所で停車。

ちょっと丈の高い草の間にチーターが横たわっていた。その傍らに2頭の赤ん坊チーターがいる。
まだ歩き始めて日が経っていないらしく、歩きもヨタヨタとして母チーターにじゃれついている。母チーターは頭だけ上げ、こちらを観察していたが興味を失ったかのように頭を地面の上に下ろす。
我々ウォッチャーを気にしていないようだ。母チーターには貫禄らしきものが漂っている。赤ん坊チーターはまるで縫いぐるみのよう。

自然環境の中で、危険と隣り合わせの状況に置かれている動物達は、動物園にいる動物達とはどこかが違う。
動物園の動物の様に腹の肉がタルタルしていない。サバンナの動物は引き締まった体で、常に緊張感を保ち続け、草食獣でも肉食獣でも精悍さが漂っている。

その後、サバンナをゆっくりと走りつつリトル・ガバナーズ・キャンプへと戻る。気分は高揚し、興奮がまだ覚めやらない。
マラ川を渡り自分たちのテントに戻る。シャワーを浴び、服を着替えて夕食へと向かう。

周囲はもう真っ暗。懐中電灯を手にテントを一歩出るとすぐにガードマンが飛んで来た。カードマンも懐中電灯を手にし、もう一方の手には相変わらず警棒を持っている。
レストランまではほんの少しの距離なのだが、必ずガードマンの誘導が必要だ。特に夜ともなれば何時、何処から動物が現れるか分からない。それほどこのキャンプ場は大自然の中に設置されているのである。

食事には我々に何時も同じボーイが来てくれる。昼食の時も同じボーイだった。
食後、テントまでガードされて戻る。蚊取り線香を二巻き焚いて寝に就く。テレビもラジオも無い静寂の中、時折カバのブォッ、ブォッと言う声が聞こえる。どうやら池にカバがいるらしい。
今日のサバンナを思い出しつつ何時の間にか寝てしまった。

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2003 AUG 萩原 廣志 記

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