
ホームステイ先は、そんな町の一角にある長屋だった。
高達さんの車から降りると、早速何人かが出迎えて歓迎してくれる。皆温かくていい人そうなので、ほっと安心する。
SOWETOは恐いところと言われているけれど、
一度地元の人たちに溶け込んでしまえば家族的につきあえる事もあるのだという。とはいえ旅行者がふらっと来て急に入り込めるわけでもなく、今のところSOWETOに入り込めている日本人は、高達さんとあとわずか数人だけだという事だった。
長屋の中に入っていくと、まだ夕方だというのに何人かの人たちは既にお酒を飲んで出来上がっている。
この家はガレージにテーブルや椅子を並べて、飲み屋を経営していた。タウンシップには、ビールやドブロクをライセンス無しで売る「シビーン」という飲み屋がたくさんある。言わば「モグリの飲み屋」だけれど、生活を支えるための重要な産業として栄えている様だ。

SOWETOの人たちはこの「シビーン」でとにかくよくビールを飲む。飲んで、飲んで、その日を楽しく終えるのだそうだ。
エクステンドルーム、ガレージなど、敷地一杯に増築された家の奥に入っていくと、
リビングルームで100数十キロはありそうな大きな女性が待っていた。
ホームステイのホスト役のビッグママだ。
歓迎の意と共に一先ず抱きしめられ、圧倒される。何でも二年前までは体重が170キロ(!)あって、今はもっと太ったかもという事だった。体格もすごいけれど、何というか親分的なオーラがあってとても迫力がある。
SOWETOでは、子供や家を守らなければならないという意識から、女性の方がしっかりしていたり強かったりする事が多いのだそうだ。ビッグママもシビーンを切り盛りしたり、大家族を養ったり、いろいろ苦労も多いんだろうなと思った。