新ツアー紹介:アフリカを歩く! 「タンザニア・ワイルド・ウォーク10日間」

《はじめに》
 『東部アフリカへの旅行』といえば、まず皆さんが目的にするのは動物を観察する「サファリ」ですが、 東部アフリカに皆さんよりも多く足を運んでいる担当者としてはちょっと寂しい気もします。というのも、 東部アフリカには動物以外にも様々な魅力があるからなのです。
《 ツアーで訪問するエリアの特徴 》
 まず、地形・景観。
 ケニア・タンザニアには東部アフリカを南北に縦断する大地溝帯があり、その作用でできた独特の景観が広がっています。マサイ・マラやセレンゲティの広大なサバンナも、この作用でできました。アフリカ=サバンナと考える方が多いですが、実はあの景観は東部アフリカ、しかもごく一部に限られるのです。しかし、それよりも特筆すべきは、ンゴロンゴロに代表されるクレーター群でしょう。タンザニアのクレーター・ハイランド(高地)に位置しています。その中でも、世界遺産、圧倒的な知名度、中で一生を終える動物達の存在、のおかげで、「クレーターといえばンゴロンゴロ」と思われがちです。ですが、このエリアには他にも興味深いクレーターがあり、それぞれが独特の景観を持っています。まずンゴロンゴロのお隣のオルモティ・クレーター。ここにはンゴロンゴロに流れ込むムンゲ・リバーの水源が近く、滝もあります。さらにその奥のエンパカイ・クレーターはリムと底部との高低差も大きく、より樹林帯が発達し、クレーター内部の斜面にはフィッグ・ツリー(イチジク)の巨木が多く茂っています。ここはマサイ人の聖地(墓地でもある)であり、底部での放牧が禁止されているほどです。この2つのクレーターを取り巻くのは、丈の短い草に覆われ、うねりながら続いている丘陵地帯で、マサイの人たちが放牧をし、シマウマやガゼルなどの野生動物も多く見ることができます。ぱっと見ると普通の丘陵地帯で、とてもそうは思えないのですが平均標高が2,500mほどもあります。さらなるこの地域の見所は、火を吐く神の山「オルドイニョ・レンガイ」でしょう。エンパカイのリムまでたどり着くことができれば見ることができるこの山は、今でも激しく噴煙を上げ、今年何度目かの噴火をおこしました。
 そして、民俗。
 クレーター・ハイランドとセレンゲティ、エヤシ湖を合わせたエリアには、様々な生活様式・文化を持った人々が独自の習慣を守って暮らしてきました。その中で、いまでもかたくなに伝統を守って暮らしているいくつかの集団があります。その中でも有名なのはやはりマサイ人。マサイの人々はケニアにも居住していますが、このエリアに暮らすマサイの人々は気候が厳しいせいなのか、より精悍な感じがします。特にンゴロンゴロから離れたクレーターエリアに暮らす人々は、近代化しているとはいえ、昔ながらの暮らしに近い素朴な生活をしています。そして何といってもこのエリアで出会いたい人々といえば、「ハッザ(ハザベ)」の人々でしょう。東アフリカではもうほとんど姿を消してしまった、狩猟採集で生計をたてている人々で、南部のサンの人々に近いクリック音の強い独自の言語を持っています。彼らは今でも狩猟が一部許可されているため、ブッシュで生活するうえでの様々な知恵を駆使して、男性は強弓をひいて鳥類から大型獣まで様々な動物をハントし、女性は根菜類や木の実、蜂蜜などを採集して暮らしています。  
《 ツアーのポイント 》
 まず、最大のポイントは『歩く』ということ。
 動物サファリのツアーに参加していつも車に揺られ、「ちょっとこの辺歩いてみたいなぁ・・・」と思われた方も多いでしょう。何より「サファリ」という言葉自体が、元来は徒歩での旅行を意味するスワヒリ語でした。国立公園の中の大部分は車外から外に出ることは許されていません。このエリアも大きな枠での保護地域の中にあるのですが、歩くことは認められています。しかも、眺めの良い場所にキャンプ場も設置されているので、テントを持って数日間本格的に歩くこともできます。さすがに大型哺乳類や肉食獣に、白昼至近距離で出会うことはありませんが、草食獣は遠目ですが見かけることもできます。
 人間の五感は、徒歩での移動のときに最も多くの情報を受け取れるようにできているといわれています。風の匂い、空気感、さえずる鳥の声、流れる雲や路傍の花。そんなものを体でダイレクトに感じ、見ることができるのも歩きならではです。何より車窓の枠がありません!
 一方、狩猟採集民ハッザの村では、人類の生活を実質5万年支えてきた消えゆく狩猟採集文化に触れることができます。狩猟採集生活の厳しさや、イメージを覆す意外な一面を発見できるかもしれません。そして、サバンナで生きる術の全てを蓄積した彼らの知恵に触れるのも、きっと素晴らしい体験になるでしょう。  
《 担当者の思い入れ(思い込み?)ポイント 》
 以前、添乗業務(通常のサファリツアーではなかった)で、クレーター・ハイランドを歩き、意外に面白いことに気付きました。特にエンパカイというクレーターの静けさや、リムから見下ろしたカルデラ湖の美しさ、樹林帯の幽玄な雰囲気と、「こんな所にこんな面白い場所が・・・」という印象を受け、いつかツアーの中に盛り込んでみたいな、と思っていました。そのときは許可を取り、レンジャーとともにクレーターの底まで下り、湖畔を散策したりできたのですが、このツアーでも同様にクレーターの底まで下りることができる内容になっています。このエリアはこのエリアで見所が多いのですが、何と言ってもこのツアー最大のポイントは、狩猟採集民『ハッザ』の村への訪問、滞在でしょう!
 南部アフリカのサンの人々もほとんどが狩猟採集に依存する生活を止めてしまった現在、実質上狩猟採集に依存した暮らしをおくり、技術や知識を代々子供達に伝えていっている、いけている社会は、もうアフリカではほとんど消え去ってしまいました。その文化を守り続ける人々の中でも、ハッザの人々はコンゴやカメルーンのピグミーの人々と並んで大きな集団を形成しています。さすがに今は定住してしまっていますが(でなければ「村」への訪問もできない)、狩猟採集に依存した暮らしは相変わらずで、男性は弓矢でブッシュに生きるあらゆる動物を狩り、女性は手製の道具で採集活動にいそしんでいます。10数年前、この村に滞在したことがあります。1日を彼らとともに過ごすことで、「本当のエコロジーとは何なんだろう?」という当時の疑問の答えが見つかったように思いました。
 都市化や資本主義経済の侵入で、その暮らしがいつまで続けられるのかは分かりませんし、いつ彼らがその暮らしを捨ててしまうかもわかりません。ですが、彼らの中に蓄積された野性の中で生きる術は、少しでも次の世代に伝えていくことができないだろうかと思います。わずか1、2日の滞在でその知恵が分かる、身につくということは到底無理ですが、この機会にそれに触れることができれば素晴らしい経験になるのではないかと思います。ぜひ、ご参加下さい!
 ツアーの詳細