飲み物で味わうアフリカ

 アフリカでも、日本と同じようなソフトドリンク類、ミネラルウォーターなどが普通に販売されていますが、 やはりお国柄を反映して楽しめる飲み物といえば、酒肴品としてのお酒やコーヒー&紅茶でしょう。
お酒の銘柄も国の数以上に種類があり、世界的に評価の高いビール、世界屈指の産地もあるワイン、 各国独特の原料から作ったスピリッツ・リキュール類、そして民俗の薫り高い地酒などなど多彩。 いろいろな理由でアルコール摂取にちょっとお堅い方々が多い国では、各国それぞれ独特の淹れ方・ 飲み方のコーヒー&紅茶、それも世界最高峰の産地がいくつもあるのがアフリカです。

    ≪紅茶・コーヒー≫

 世界にはいくつものコーヒーの有名産地がありますが、誰もが認めるコーヒー発祥の地、 そして世界最高峰のコーヒー産地といえばエチオピア。他のアフリカ諸国のほとんどが、 植民地時代にヨーロッパ人のよって、お茶やコーヒーの生産技術を持ち込まれましたが、 アラブ人が現在のコーヒーの飲み方を発明(したといわれている)する前は薬として、 発明後はもちろん飲み物として、エチオピアではじめは野生種を採集、のちには栽培されて いたものが世界中に広まったのが、コーヒーです。
 ちょっと日本に詳しいエチオピア人がよくする話に「日本とエチオピアは共通点が多い。 第一に皇帝(天皇―エチオピア人にとっては現人神という意味で同じ―)が統治していた国で、 歴史のある国であること。第二に両国とも挨拶ではお辞儀をする(=礼儀を他の国より?重んじる)。 第三にエチオピアではコーヒーセレモニーとその作法があるように、日本にもティーセレモニーと 茶の湯の作法がある(そして話す人みな、3つ目のこれが極め付け!という顔をします)。」と いうのがあります。洗った生の豆を炒ることからはじめ、作法にのっとっていただけるまで時間が かかり、お菓子をつまみ、コーヒーの香りを楽しみ、ゆっくりと会話をしながらの目と舌で味わう コーヒーセレモニーと濃い美味なコーヒーは、エチオピアを訪れる際はやはり外せません! (タンザニアファンの皆さんごめんなさい。もちろんキリマンジャロはおいしいのですが、 ここは発祥の地に敬意を表して・・・)


 そして南側のお隣は、これまた世界的なお茶の産地の一つケニアです。こちらは紅茶に熱狂的な イギリスの植民地化を受けた国として、紅茶の栽培を持ち込まれましたが、現在のケニアでは紅茶の輸出が観光と並んで最大の外貨収入源となっています。オーガニック農業が世界的にブームですが、 ケニアでも農薬に気を使い、昔ながらの手摘みで栽培をおこなっています。ケニアではミルクティーが 主流ですが、地方や家庭によってはクローブやジンジャー、シナモンを入れてスパイシーにして 楽しみ、薬のように飲んでいる一面もあります。そのケニアでも最大の産地はメルーとケリチョー。 ケリチョーにはブリティッシュスタイルのティーハウスがありますが、美しいルビー色をしたおいしい 紅茶はお試しの価値ありです!
 一方、サハラ砂漠を領内に抱えた諸国では、ちょっと変わったお茶が味わえます。そう!ミントティーです! 茶葉自体は中国産の緑茶が多いですが、その煮立ったお茶に新鮮なミントの葉をさっと入れて味と風味を つけます。仕上げはたっぷり?の砂糖。ポットをグラスから離し、高い位置からグラスに注いで泡と 香りをたてて味わいます。ミントには体温を下げる効果があるので、気温が高い地域ではよく飲まれます。 飲酒が禁止されているイスラム教徒の方々にとってはお酒のようなもの。砂漠のどんなシチュエーションにも 合い、青い民族衣装のトゥアレグやベルベルの人々が淹れてくれるミントティーは特においしく感じます。 彼らはお茶とは切っても切れない関係にあり、『一杯目は人生のように苦く、二杯目は愛のようにマイルド で、三杯目は死のように甘い』というお茶の格言があるほど。

     ≪ビール≫

 アルコール飲料の代表選手ビールですが、アフリカ大陸でも百花繚乱!多い国で10種程の銘柄、少ない国 でも隣国ブランドのライセンス生産などで1種は地元ビールがあります。ただし、数カ国を除いて。 リビア、スーダン、ソマリアなどイスラム国がそうですが、アルジェリア、モロッコ、チュニジアなどの マグレブ諸国はもちろんのこと、盛んに造醸しているイスラム教国もあります。
 有名な銘柄としては、象のラベルがポップなケニアのタスカー。東アフリカ周辺ではどこでも飲めます。 そして南アフリカのキャッスル。キャッスルは西部アフリカでもライセンス生産しているので北アフリカを除けばほぼアフリカのどこでも飲めるビールです。西アフリカではフラッグ。こちらも仏語圏の西アフリカ諸国でライセンス生産されているので、西部の様々な国で見かけます。
 みなさんそれぞれ好みの味、あるいは思い入れのある国のビールの味など好き嫌いはあると思いますが、 弊社のビール党の間ではナミビアビールが特に人気があります。ナミビアビールも銘柄はタフェル、 ウイントフック、ハンザ、ダス、スワコプムントなどありますが、一番人気はラガービールのタフェル。 ナミビアの乾燥した気候のもと飲む軽めのラガービールの味は格別です。さすがドイツを旧宗主国に 持つナミビアといったところでしょうか?
 マニアックな所では、チャドのガラビール、コンゴのテンボ、プリムス&スコール、レソトのモルティビア でしょうか?ガラビールはかつてマニオック(キャッサバ)を原料に作られたヘビーでパンチの効いたビール (アルコール分10%以上)だったらしいですが、今は普通のラガーになってしまいました、残念・・・。
 コンゴの3銘柄は、コンゴ(旧ザイール)を旅した人にとっては忘れられない味のビールでしょう。 ぬるくても非常においしい不思議なビールです。コンゴの場合はツマミが変わっていて、カミキリムシの幼虫や、 チクワンガという発酵したキャッサバなどユニーク?です。味は決して悪くないですが。コンゴも旧宗主国は ビールで有名なベルギーです。この辺り、宗主国の影響が色濃く窺えますね。
 レソトのビールは他国では手に入りにくいのですが、さすが清冽な水が豊富な高原の国という感じのすっきり した味わいがあります。
 銘柄は数あれど、やはり味わうシチュエーションとしては、砂漠やサバンナの乾燥した気候と青空の下が ベストでしょう。どこかの国のビールのCMのような爽快感を味わえること請け合いです!




     ≪ワイン≫

 ワインも予想以上に多くのアフリカ諸国で作られていますが、世界市場に出して恥ずかしくない味を 持つものは、南アフリカ、チュニジア、モロッコ、アルジェリア産のワインでしょう。特に南アフリカ ワインは世界市場の大きな一角を占めています。何でも世界最古のワイン産地の一つレバノンで 戦火のためにワイン作りがストップしてしまった時に、ブドウの木を南アに移植し製造を続けたものも あるそうで、実質世界最古のぶどう酒の味を体現するワインの一つ?なのかも知れません。 ツマミは何と言っても生牡蠣!ということは当然白ワインのお供ですが、シーズンに行かれる方は是非 お忘れのないよう味わってきていただきたいですね!



      ≪リキュール・スピリッツ類≫

 ちょっとアルコール強めのこちらスピリッツ類も、アフリカでは豊富です。この辺りも旧宗主国の影響が 窺えますが、通常のウイスキー、ジンなどはよく見かけます。でも、やはり特筆すべきはアフリカならではの 原料で作ったもの。
 スピリッツ類では、メイズ(白とうもろこし)から作ったタンザニアのコニャギ、ちょっと変わったところで、 バナナから作ったウガンダのワラギや、ルワンダのムバンザ、リキュールでは、象が好きなマルーラという 木の実から作った南アフリカ産の甘〜いアマルーラなどがあります。他にはサトウキビを醸造したものが多く、 サトウキビといえばラム酒ですが、有名な産地ではやはり島嶼部のマダガスカル、レユニオン、モーリシャス、 カーボベルデなどでしょう。特にイゾティエという銘酒を醸造しているレユニオン、かつては海賊の基地だった こともあるマダガスカルの銘酒ザマはヨーロッパでも高い人気があります。別に、カーボベルデではその場 その時でしか味わえない農家の方々が個人的に作っている素朴な味わいのラム酒もまた格別です。
 ナイジェリアにはアルコール度数の非常に強い(モノによっては90%以上!)、オコゴロという地酒が ありますが、殺人的ですので飲みすぎにはご注意を!



      ≪その他地酒≫

 地酒に関しては、味だけをとってみれば村の数だけあるのではないかと思うくらい、尋常な数ではない種類が ありますが、大きく分けると原料にミレット、ソルガムなどの雑穀、ハチミツ、バナナ、タケノコ(?!)、 椰子の樹液(いわゆるパームワイン)、ヘチマ(しかも蒸留酒!)などがあります。こう列挙してみてもなかなか個性的。 「異国に行ったら、やはり地酒を味あわないと!」と思う方も多いこととは思います。添加物なしの オーガニックなものがほとんどですが、中には発酵を早めるために化学薬品や工業用アルコールを 加えているものもあるので要注意。衛生面にもちょっと難あり?なものも多いので、それなりの覚悟?が 必要です。



      「イエメンの昼」
 『アフリカ』といっても多種多様な文化があるように、飲み物一つ取ってみても多種多様。 旅の思い出とともに、味も舌に記憶させるような旅はいかがですか?




ツアーの詳細:お問合せ下さい。