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グランドサハラ エクスペディション 帰還
(セネガル〜モーリタニア〜西サハラ〜 モロッコ〜ポルトガル〜スペイン)-
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月風かおり
【国土の80%がサハラ!砂の国モーリタニアへ】
2/2。セネガル川がきれいな朝焼けを映していた。相変わらずどこからともなく出没するヤギが風景に動きを添えてくれる。今日は、いよいよモーリタニアへの国境を越える。サハラの砂がセネガル川以北にたっぷりと待ち受けているだろう。
約100キロで国境の町Rossoに到着、ボーダーラインはセネガル川である。川辺で手続きを終え、小さなフェリーを待ちながら思う。セネガルは比較的自由な風潮の国だった。内陸に比べれば豊富な物資と文化的発展もあり、イスラムの教徒ですら軽装で、特に、都市の女性には開放感かみなぎっていた。
モーリタニアはどんな意志をもつ国で、どんな砂の世界が待っているのだろうか・・・西アフリカ数カ国で共通のCAFもここで終わり、バラ銭は水と乾燥を凌ぐ飴で使い切った。川の向こうは'ウギア'に変わる。
ゲートが開き、ハイエースに続いてバイクを入れ込む。対岸は手の届く距離。川面を吹き抜ける風は心地いいが、今日は太陽の照りつけが痛い。
モーリタニア上陸と共に、白や藍のイスラム服に身を包んだ男たちが視野にグッと入ってくる。たいていは片手にコーランの教本を持ち、難しいそうな表情・・ 国境入国でかなり手間がかかり、取り囲む役人も表情が硬かった。セネガルとはまったく違う雰囲気は我々を緊張させたが、無事通過することができる。
ゲートを出ると、すばやく砂の世界を思わせた。広大なモーリタニアの海岸線はアメーバーのようにサハラの砂が切れ込んでおり、国土の80%が砂の海に没しているのだ。・・・・・この先に何が・・
ホガールでは死の匂いも嗅ぎながら、北から南へ、モーリタニアはサハラの最西ルートを北上してゆく。約70キロ区間は濃褐色の砂丘が続いた。その後、灰色の砂へ風景が変わった途端、砂嵐が襲ってきた。今度こそ風の中に何かがいるような気がしてならない。こんな気持ちをよそに、私の行く手を阻むらくだは、ゆうゆうと道路を横断していくのだ。 記憶にある風景が呼び戻されてきた・・路肩の焼け焦げた車の残骸と、ゲルの天幕が点在する濛々の荒野を、見えなくなったピックアップを追いかけてアクセルを開いた。ヌアクショットまでの道のりは舞い上がる砂塵に煙った灰色の空と、狂風だけがまとわりついて離れなかった。今日までは道がある。行く方向に向かう道が・・・・
2/3。朝、強風の中、ヌアクショット沖の漁港を見にゆく。ここは日本の出資でできているステイションらしい。このあたりは赤道からの暖かい海流とイベリア半島からの寒流がぶつかり、良い漁場で、砂漠の国でありながら、海の資源にもめぐまれている。沖に出ている船は木造の簡素なつくり、戻ってきた船を数人で引きずり上げ、魚はロバが引く荷馬車でステイションに運ばれてゆく。
なんともゆっくりとした時間の中に生きている人々があった。街に戻り、モスク近くのマルシェを覗いてみると、青空市場に凄い活気。物資、食物は豊富であるが、とにかく衛生状態が悪い、露店の一筋横はゴミの道が出来上がっているから、雑踏から弾き飛ばされると、この道を歩かなくてはならないのだ。子供たちの身なりを見ても決して豊かな国とは言えなかった。そういう心がのしかかってくると、きまって、外側に存在する反対の人間が見えて仕方ない。この下町から程遠くないモスク傍では、携帯電話屋に群がる教徒の姿があった。実はこの日、モスクをバックに写真を撮った我々に、'異教徒がモスクを汚した'と警察に通報されてしまったのだ。どんなところも見えて仕方ない、救済の為の行為は自分には持ち合わせていないのだ。しかもここは'アッラー'絶対の国。彼らには我々がどのように映ったのだろう・・知りたかった。
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